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放火火災予防対策

イメージ:放火

屋外に放置された可燃物は、放火の格好の目標となりやすく、廃材等は、長期間放置されているうちに管理への注意力が薄れ、また、材木自身が風化して燃えやすくなることから、大きな危険性を持つことになります。
また、回収されるまでのゴミは、その性質上、建物から隔離して置かれているので放火されやすく、大きな損害 を出す危険性は少ないものの、対象の数が多く、火災件数としてはかなり発生しています。

1.敷地内

敷地内の放火されやすい場所には、可燃物を置かない等管理面での放火火災予防対策が基本ですが、特に塀等でかこまれていない住宅や小規模な店舗、デパート、スーパー等のバックヤード等部外者が自由に出人りできる場所は放火件数が非常に多いことから、可燃物の管理を徹底する必要があります。

イメージ:郵便物の放置

2.隣棟間のすき間空間

密集住宅地等では接近して外壁が向かい合っている場合もあります。このすき間は死角となりやすく、放火されやすいことから、すき間を木戸等で囲うなどして部外者が入れないよう関係者による管理を徹底する必要があります。
建築物の増改築に伴う建材や廃材等をすき間空間に置く場合は、整理整頓するとともに、防炎シート等で覆い部外者の目に触れないようにする等の管理が必要です。

3.外階段まわり

木造アパートや小規模ビルの外階段は、不用品や古紙頬等の可燃物が放置されていることもあり、放火されることが多い場所です。外階段の下等を不用品、古紙類の保管場所として使用する場合は、囲いをして内部が見えないようにするとともに、外壁の不燃化措置を施したり、照明設備を設置する等の対策が必要です。

4.店舗のバックヤード

バックヤード部分では、投ボール等の梱包用の可燃物が多量に野積みされた状態をよく見かけますが、防火管理は建物内に限らず敷地全般に及ぶことを認識し、可燃物の整理整頓・除去、部外者の目に届かない場所への保管等のほか、監視用カメラ等による監視体制の強化、部外者が容易に侵入できなくするための柵の設置等のハード面の対策をとる必要があります。

5.住宅地

イメージ:夜のゴミ出し

代宅地のゴミの保管、回収にとって最も問題になるのは、ルールを守らないで回収日前の夜間に出されるゴミです。“回収日に出せない、出す時間がない、外出のついで”等々の理由により出されたゴミは、放火の格好の対象になります。
ゴミの回収日を守れない住民やルールを守ることを期待できない人達がいることから、ゴミ集積場所の放火予防対策として次のことが有効です。

・ゴミ集積場所のライトアップ
・ゴミ集積場所のボックス化、コンテナ化
・大型ポリバケツ等容器使用による一時保管
・ゴミ流れ回収方式

6.商店街・繁華街

商業地での大きな問題点は、営業時間が深夜に終わりその直後にゴミを出して帰宅するため、ゴミ頬が道路上に放置されて放火の対象となりやすいことです。また、出されたゴミ類は、カラスや犬・猫に食い荒らされて、衛生上又は美観上も社会問題視されています。
このような事態に対処するため、商業地でのゴミに対する放火火災予防対策として、次のことを提案します。

・夜間回収の実施
・ゴミ収集場所のコンテナ化

7.空家・空ビル等の外周部

イメージ:火の用心

空家・空ビルは、外周部に可燃物が放置されている場合が多く、居作者が不在であることや、所有者・管理者の関心が薄いことなどから、放火行為者が最も狙いやすい対象物です。空家等の放火火災予防対策の基本は、言うまでもなく空家等の所有者・管理者が青任ある放火火災予防対策を自主的に実施することであり、これを実行するために空家の所有者・管理者には次のような対策をとるよう指導していく必要があります。

・空家・空ビルの敷地の囲い込みによる出入りの制限
・空家・空ビル・空室の施錠の徹底
・敷地内外の可燃物の除去
・外周部への照明機器の設置
・定期的巡回・監視の実施

なお、空家等の放火火災予防対策として、市町村では火災予防条例により規制しているところもありますが、本規制を有名無実化しないためにも、消防機関における空家等の情報収集はもちろんのこと、地域住民等との連携が必要です。

【参 考】
火災予防条例準則(昭和36年自消甲予発第73号)
(空地及び空家の管理)
第24集 空地の所有者、管理者又は占有者は、当該空地の枯草等の燃焼のおそれのある物件の除去その他火災予防上必要な措置を講じなけれはならない。
2 空家の所有者又は管理者は、当該空家への侵入の防止、周囲の燃焼のおそれのある物件の除去その他火災予防上必要な措置を講じなければならない。

8.工事中の建築物の外周部

イメージ:放火

新築、増改築中の建築物は、外周部に工事材料が集積され、廃材が多量に放置される場合が多く、また、夜間・休日は無人となるため放火されやすい環境となっていますこのことから、工事現場管理者に放火火災予防対策の重要性を認識させ、次のような対策を講じさせることが必要です。

・工事現場の囲い込みによる出入りの制限
・無人時の防護柵の施錠の徹底
・工事材料の整理整頓
・廃材等の除去

9.大規模都市聞発地域

大槻楔な都市開発地域で既に一部笑現しているゴミの自動収集装置 (ゴミシューター)は、ゴミ収集方法としては最も進んだ技術です。ゴミは地下を通る共同溝等を通って回収されることから放火されることはなく、また、環境的にも優れたゴミ回収の未来像を示しているといえます。このような技術を取り入れるには、大規模な都市開発等に併せて関係行政機関の連携による街づくりを推進していくことが必要です。

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