作業場レポートでは、高山・祭屋台保存技術協同組合が現在行っている屋台修理等の作業場をご紹介しています。
 

高山市下二之町
神馬台屋台蔵
 作業場レポートの第2回目は、「秋の高山祭り」に曳き出される高山市下二之町の「神馬台」組立作業をお伝えします。
 秋の高山祭屋台として有名な神馬台は、高山市下二之町・中組のみなさんが大切に維持されている祭屋台。
 中段の鮮やかな般若面の刺繍と、上段の神馬と白丁人形がとても印象的な祭屋台です。
 平成14年の秋に下二之町・中組の皆さんより全解体修復を依頼され着工した今回の作業。それから約2年半の歳月を費やして、ようやくこの日の組立作業をむかえることができました。

 当日は、前日の大雨から一転し、絶好の作業日和、組み立て作業は高山市下二之町にある神馬台屋台蔵で行われました。
 屋台蔵も屋台と共に修復。屋台の基礎ともいえる台輪と車輪は今回の全解体修復で新たに一から作り直しました。


今回新調された台輪と車輪



屋台の構造部分を組み上げる
八野大工の皆さん



こみ栓による部材の固定

 この日の組立作業には朝早くから作業に取りかかる八野大工の皆さんに加え、漆・箔部の戸谷さん、小島さん、彫刻部の元田勉さん、鍛冶部の田中さん、新名さんらが駆けつけました。
 屋台の組立作業の見所はなんと言っても木造部分に釘が一本も使われていない点です。
 複雑な形状の仕口やこみ栓と呼ばれる部材で固定されて行きます。
 順番を一つ間違えただけで組立られなくなることもあり、程良い緊張感の中、作業は進められました。


 一つ一つの部材を傷を付けないよう丁寧に作業が進められるため、屋台の組立作業には長い時間を費やします。
 ようやく屋根が上がった頃には、すっかり日も落ちていました。
 この日の作業は屋根が取り付けられたところで終了。後日、錺金物などの装飾が取り付けられ完成となります。

屋根上げ作業


下二之町・中組の皆さん

 下二之町・中組の皆さんも二年半ぶりに屋台蔵に帰ってきた神馬台を満足げに眺めていらっしゃいました。
 屋台組の皆さんは今年の祭りが待ち遠しいことでしょう。
 今年の秋の高山祭りには新しくなった神馬台が二年ぶりに曳き出されます。
 皆様どうぞお楽しみに。

取材/組合広報部

 


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■古川町神楽台「御所車・輪じめ」(2002.12.01)
■高山市下二之町「神馬台・組立作業」(2004.04.26)
 
 
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