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 総会における議事の進め方
   ここでは架空の"○○協同組合"を例として、総会への準備と総会の進め方についてご紹介します。
 ※ 監事の監査の範囲が会計(決算関係書類)に関するものに限定されている組合(監査権限限定組合)の例です
1. 総会前の理事会の議事審議と打合せ事項
   まず、監事による監査を受けるため、決算関係書類を可能な限り早急に作成することが必要です。監査の進行状況をにらみながら、決算方針を確認し、監事の監査報告が組合に提出されたら、総会への提出議案を審議するため、理事会を招集します。
  ≪理事会での審議内容(例)≫
 『○○協同組合は本年の通常総会では、役員の任期が総会の日には満了しているので、その選挙をすること、できれば定款の定めによって指名推選の方法で行いたいこと、又来年度は組合員の事業の状況からみて組合事業の繁忙化が予想され、 現在の役員(理事)数では、組合の事業の執行体制が手薄になるので理事の定数を現定款が4人以上6人以内と規定しているのを5人以上7人以内に変更したいことなどを検討した結果、今回の総会には次の議案を提出することに決めた。
  通常総会提出議案(例)
  第1号議案  事業報告書(案)、財産目録(案)、貸借対照表(案)、損益計算書(案)及び剰余金処分案(又は損失処理案)承認について
  第2号議案  事業計画案及び収支予算案承認について
  第3号議案  経費の賦課並びに徴収方法について
  第4号議案  組合取引金融機関決定について
  第5号議案  借入金残高の最高限度額決定について
  第6号議案  1組合員に対する貸付金残高の最高限度額決定について
  第7号議案  手数料、貸付利息の最高限度額決定について
  第8号議案  役員報酬決定について
  第9号議案  定款一部変更(役員定数増加)について
  第10号議案  役員任期満了に伴う改選について
   更にこの日の理事会では、
 (1)総会開催日時を平成○年5月27日15時30分からとする。(2)場所を組合事務所とする。(3)議案書の印刷手配を理事長A氏が担当する。(4)総会招集通知の発送を平成○年5月15日迄に行うこと。(5)総会の司会者を事務局職員のB氏にする。 (6)議長については、司会者の一任を取り付けられれば、理事A氏とする。(7)役員選挙が指名推選の方法で行うこととなった場合、選考委員会の委員としてC、D、E、Fの4氏に依頼する。(8)監査報告について、監事代表としてG氏に依頼する―ことを決めた。
 次いで、理事会は来年度の事業計画案の検討を行い提出議案の成案を決定した。
 以上で通常総会提出議案と総会に向け準備のための理事会を終了し、散会した。』

こうして、理事会において総会準備が整えられ、総会当日を迎えることになります。
2. 総会シナリオ
  次に総会シナリオについて記しておきます。
司会者:  ただ今より、○○協同組合の第○回通常総会を開催致します。最初に本日の出席状況についてご報告致します。組合員総数20人のうち本人出席12人、委任状出席5人、合計出席人数17人で定款に定める定足数を充たし、本総会が有効に成立したことを報告します。議案の審議に先立ちまして理事長より挨拶をお願い致します。
 〔・・・理事長挨拶を行う・・・〕
司会者:  議案審議のため議長を選任したいと存じますが、選任の方法をどのようにいたしましょうかお諮り致します。
 〔・・・議場より「司会者一任」(又は「理事長にお願いしたい」)の発言があり・・・〕
司会者:  ただ今「司会者一任」の発言がありましたが異議ありませんか。
 〔・・・議場より「異議なし」の声・・・〕
 ご異議がないようなので、A氏にお願いしたいと思いますがご意義ございませんか。
 〔・・・議場より「異議なし」の声・・・〕
 それでは、A氏お願いします。
 〔・・・A氏議長席につき、就任の挨拶を行う・・・〕
A議長:  議案の審議に入る前に審議を円滑に進めるため、皆さんにあらかじめお願いがあります。それは審議の中で発言を求める時は挙手をし、氏名を告げて議長の許可を得てから発言をして頂きたいことです。では議案の審議に入ります。
 第1号議案 事業報告書(案)、財産目録(案)、貸借対照表(案)、損益計算書(案)及び剰余金処分案(又は損失処理案)承認についてお諮り致します。この件に関し理事長より説明をお願いします。
理事長:  それでは第1号議案について説明致します。
 〔・・・第1号議案を説明する・・・〕
A議長:  では、監事を代表して監事B氏から決算関係書類の監査結果の報告をしていただきます。
B監事:  平成○年度本組合の監査結果報告をいたします。まず、私ども監事は、定款第○条の定めるところにより監査の範囲が会計に関するものに限定されているため、事業報告書を監査する権限は有していないことを報告します。平成○年4月5日、組合より受領した決算関係書類について、本組合事務所において組合の会計諸帳簿、伝票、証ひょう書類、預金通帳、現金残高等について監査したところ議案書の監査報告書に示した通り表示、処理とも適切に行われていることを報告します。
A議長:  ただ今の理事長の説明と監事の監査報告について質問がありませんか。
 〔・・・質問があった場合、理事長と監事が応答する・・・〕
A議長:  質問がないようですので、第1号議案を原案どおり決定してよろしいでしょうか
 〔・・・議場の「異議なし」の声を受け・・・〕
 それでは第1号議案について異議がないものと認め可決します。
A議長:  続いて第2号議案 事業計画案及び収支予算案の承認について、第3号議案 経費の賦課並びに徴収方法について、第4号議案 取引金融機関決定について、第5号議案 借入金残高の最高限度額決定について、第6号議案 1組合員に対する貸付金残高の最高限度額決定について、第7号議案 手数料、貸付利息の最高限度決定について、第8号議案 役員報酬額決定について、これらはいずれも関連がありますので一括して理事長から説明致します。
理事長:  では第2号議案から説明致します。
 〔・・・第2号議案事業計画案及び収支予算案を説明する・・・〕
 第3号議案 経費の賦課及び徴収の方法の件につきましては、事業計画と収支予算においてご説明したとおり、本年度は、中央会の助成を受け青年部の活性化事業を実施する計画を持っており、事業費の組合負担分として特別賦課金を1組合員当たり1千円徴収することにしております。第4号議案 取引金融機関決定につきましては、昨年同様、商工中金岐阜支店と○○信用組合、○○銀行岐阜支店の3行に、第5号議案 借入金残高の最高限度額決定については昨年同様1億円に、第6号議案 1組合員に対する貸付金残高の最高限度額決定については1千万円に、第7号議案 手数料、貸付利息の最高限度額決定については手数料として共同購買手数料0.3%(仕入れ金額に対して)貸付利息の最高限度は年利7%とします。第8号議案 役員報酬額決定については、従来理事6人分で300万円、監事2人で年50万円を計上しておりましたが、本年は理事の増員1人を考えておりますので7人分として350万円を計上し役員報酬合計400万円を計上することにしております。
 以上、第2号議案から第8号議案まで一括して説明を致しました。
 本年度は組合員の皆様に若干のご負担をお願いすることになりますが、組合の活性化と発展を通じて組合員の繁栄に寄与する事業の実施を考えていますので審議の上ご協力頂きますようお願い致します。
A議長:  ただ今理事長より一括説明がありました7つの議案について質問はありませんか。
 〔・・・質問があれば理事長が応答する・・・〕
A議長:  質問がないようですので、原案どおり決定してよろしいでしょうか。
 〔・・・議場より「異議なし」の声があり・・・〕
A議長:  異議なしの声がありましたので、第2号議案、第3号議案、第4号議案、第5号議案、第6号議案、第7号議案、第8号議案いずれも原案どおり可決決定致します。
A議長:  では第9号議案の審議に移ります。本議案の説明を理事長にお願い致します。
理事長:  第9号議案 定款一部変更(役員定数増加)の件についてご説明します。事業計画において説明しましたとおり、本年は組合事業を活発に展開させる事を期しており、そのためには組合執行部の強化拡充が必要であると考えます。そのような状況にあって、本組合役員としてまたとない適任の人を得ましたので、員外理事として組合事業に尽力をお願いしたいと考えます。そこで、現定款の第24条(役員の定数)について4人以上6人以内と規定されているのを改め、5人以上7人以内と1人増員したいのでお諮りしたい。なお、定款26条では員外役員を1人置けることになっています。
A議長:  本件は、ただ今理事長が説明された通り組合の執行部体制の強化拡充を目的にしております。この件についてご質問がありましたら、挙手と氏名を告げてから発言をお願いします。
 〔・・・質問があれば理事長が応答する・・・〕
A議長:  ご質問がなければ第9号議案はご異議ないものとして処理してよろしいでしょうか。
 〔・・・議場より「異議なし」の声があり・・・〕
A議長:  異議なしの声がありましたので、第9号議案定款一部変更(投員定数増加)の件は、原案どおり可決決定致します。なお、ただいま可決された第9号議案 定款一部変更(役員定数増加)の件に関連してここで字句の一部修正委任について諮っておきたいと思います。
 定款変更の原案は定款変更認可申請書とともに認可行政庁に提出致しますが、その際本文の趣旨に反しない字句の修正を理事長に一任したいと思いますが、いかがでしょうかお諮り致します。
 〔・・・議場より「異議なし」の声あり・・・〕
A議長:  異議がないようですので、定款変更の認可申請に当たって、本文の趣旨に反しない字句の修正を理事長に一任することに決定しました。
A議長:  第10号議案 役員選挙の件につきましては、役員選挙は定款第30条の規定によって連記式無記名投票により行うことになっております。ただし、出席者全員の同意があれば指名推選の方法を行うこともできますので、どちらの方法で行うか、お諮り致します。なお、いずれの方法でも選挙する役員の定数は、本日、第9号議案として定款変更の決議を受けた、理事7人と監事2人です。ただし、定款の変更は認可行政庁から認可書が組合に到達した時に効力を発しますので、本日承認して頂いてこれから選挙されることになる員外理事の就任は認可書到達日以後となることを予めご承知おきください。
 〔・・・議場より「指名推選」の発言あり・・・〕
A議長:  ただ今「指名推選の方法で行う」旨の発言がありましたが、異議ありませんか。
 〔・・・議場より「異議なし」の声あり・・・〕
A議長:  全員異議がないようですので、指名推選の方法によって行いますが、選考委員をどのようにするか、お諮りいたします。
 〔・・・議場より「議長一任」の声あり・・・〕
A議長:  ただ今「議長に一任する」旨の発言がありましたが、異議ありませんか。
 〔・・・議場より「異議なし」の発言があり・・・〕
A議長:  全員異議がないようですので、議長から指名致します。C、D、E、Fの4人の方々に選考委員をお願い致します。
A議長:  それでは、選考委員の方々は別室におきまして役員侯補者の選考をお願い致しますので、お集まり下さい。なお、選考の間総会は休憩することとして、再開は16時20分とします。
 〔・・・総会は一時休憩。選考委員は別室に集まり、互選により選考委員長をC氏に決定し、委員長を中心に選考に入る・・・〕
 〔・・・再開時間・・・〕
A議長:  議事を再開します。選考委員長より選考についての報告をお願い致します。
C選考  
委員長:
 ただ今別室におきまして選考委員4名が慎重に審議致しました結果、理事にA氏、D氏、T氏、J氏、K氏、L氏の6人と員外理事にM氏の合計7人、監事にはG氏、N氏の2人を役員候補として推選致します。
A議長:  ただ今選考委員長より報告がありましたが、以上の方々を理事、監事として認めることに異議ありませんか。
 〔・・・全員「異議なし」の声あり・・・〕
A議長:  全員の賛成を得ましたので、以上の方々が理事、監事と決定しました。なお、定款変更の認可を待ってご就任を頂くことになっているM氏以外の方々は全員即時就任の承諾をお願い致します。
A議長:  みなさまのご協力により本日の議案は、すべての審議を終了することができましたことに御礼申し上げます。これにて、私は議長席から退席致します。
副理事長:  本日は長時間にわたって真剣なご審議を賜り、誠にありがとうございました。組合員の皆様方には、今後とも組合運営にご協力をいただきますようお願い申し上げます。これにて第○回通常総会を散会させて頂きます。

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