我が家の場合

子供たちが小さかった頃、週末になると、渡辺篤史の『建物探訪』を見ながら、
「みんな素敵な家に住んでいるよねぇ」
「うらやましいなぁ」
なんて、家づくりは夢のまた夢。

子供たちもだんだん大きくなってきた頃、同年代の友人たちとの会話の中に「マイホーム」なんていう言葉が出てくるようになり、我が家でも「子供たちの個室がほしいよね」「車庫もいるよね」なんて、家づくりの事、考えるようになり、そろそろ本気で考えよう

と言うことで、
今、すんでいるところを増改築?それとも立て直す?
いろいろ検討した結果、その頃売り出していた同じ地区の団地に家を建てようということになり、まずは土地を確保。

そして、次は家だ。
そりあえずハウジングセンターへ行ってみた。確かに立派な家ばかり。でも、何故かピンとこない。住みたい家はこんなんじゃない。
どんな家に住みたいんだろう…
漠然としすぎていて、実際どんな家に住みたいのか、自分でもよく分からない。
その頃は、
車でドライブしていても、ブラブラ散歩していても、見る家、見る家、気になって仕方がない。そんな中でも、結構気になる家がある。いいなぁと思った家の写真を撮ってみた。

現像してみると、選んだ家には共通点があった。
ちょっと個性的で、木のぬくもりがある家。
こんな感じのに住みたかったんだ。
イメージも分かりかけてきて、せっかく家を建てるのだから後悔しないなっとくの家づくりを、勉強しなければ。ということで

平成すまいの塾に入ろう。
何を学ぶのかしら?資金対策、建築にかかわる法律、税金、神事のしきたり…………
聞いた事もないようなことばかり

うわ〜 大変そう。すまいの塾と知識と、家づくりに熱い思いを持つ地元の業者さんとの出会いにより、いよいよ家づくりに向かって動き始めた。

具体的にどんな家に住みたいのか、
まずはみんなの希望を聞いてみた

おばあちゃんのこだわり…
やっぱり、バリアフリー
フローリングの部屋でベッドがいい。
どこにいてもほんのり暖かい床暖房。
お客様の泊まれる和室。
お父さんのこだわり   …
地震に強いしっかりした基礎・構造
緑を基調にした森を意識した外観
ヒノキの天井・ヒノキの床
吹き抜けの高い天井
掘り炬燵風の居間
お母さんのこだわり   …
冬暖かく、夏涼しい家
風の通る家
たっぷり収納
すっきりデザイン

子供たちのこだわり   …

自分たちの基地、ロフトが欲しい
広い居間

みんなの意見を取り入れながら、何回もの打合せの結果、みんなの納得するプランが出来上がりました。
そして、
現在の我が家があります。
家族の夢がいっぱい詰まった家。いっぱい考えた分だけの快適さがあります。

5年間住んでみて感じたこと
家は買うのではなく、建てるもの
今、なお、この家に似合うものをちょこちょこ探してきたりなんかして、我が家の家づくりはまだまだ進行中。
家づくりは大変だけど楽しい。

50代夫婦の建てた家

 以前にボランティアで、1軒1軒手紙をポストに入れる仕事を何年もしたことがあります。毎日歩いて回っていると、本当に様々な家と外構(庭や門扉など)があり、そこに家の主の性格や生きざまのようなものが見えて、感心したりあきれたりしたものです。こういう風に人に見られたい、あるいはこんな風に人と接したい。こんな風に生きてきたんだ、そしてこれからもこうやって生きていくつもりさ等々、家が主のかわりに外に向かってアピールしているのです。

 家をつくるときに、まず何を1番に考えるか。それは人それぞれに違う事情があるでしょうが、誰もが必ずしっかりと考えなければならないのは、自分たちが今までどういう生き方をしてきたのか、新しい家でどんな暮らし方をしようと思っているのかということだと思います。そんなことあんたに言われなくても誰だって考えてますよって? そう、当然ですよね。
 
  さて、我が家は50代前半の夫婦と頑固な義母の3人暮らし。同じ年代の方が家を建てる場合に多少の参考になればと思い、このレポートを引き受けましたが、まあ100軒100様どんな家でもOK、例えば外観でいうと、まちなみ保存や景観形成なんのその、もうなんでもありの日本です。だからこんな他人の意見なんぞ、さーっと軽く読み流してね。

 私たち夫婦は50代だから、こう考えました。
◎今以上に若くなるはずはないから、当然バリアフリー。
  私は腰痛、夫はバイクで定期的に骨折。というわけで、いつでも車椅子で暮らせるように風呂場、トイレはスペースを十分に。洗面所の下はあけ、風呂場やトイレに手すりをつけました。現在は右手の不自由な義母が利用しています。

◎今以上にズボラになっても目立たないように、掃除の楽な間取りと設備。
  52坪の家を毎日ドライモップで約10分。これで掃除はおしまい。家を建てて3年目ですが掃除機を使ったのはガラスのコップを割ったときの1度だけです。風呂場はゴテゴテと余計なものがついていないタイプのシステムバス、さっと使ってさっと拭いてきれいに見えるステンレスキッチンとIHヒーターが、とってもよろしおすえ。

◎今以上にゆったり暮らしたいから、楽しむための無駄なスペース。
  子ども部屋や客間はいらない。そのかわりに玄関や吹き抜けを大きくとって暮らしにゆとり感を持たせました。

◎今以上に友人を大切にしたいから、居酒屋スタイルの居間。
  高齢化で腰や膝の悪い友人のために掘りごたつ風の居間にしました。床下蓄熱暖房なので酔っ払ってどこで倒れ込んで寝てしまっても平気です。こちらも起こして運ぶ体力ないしね。またホストが客より早く眠ってもホステスがお相手できるように対面キッチンにしました。これは本当に正解でした。

◎今以上にモノはいらないから、ちょっぴりの収納スペース。
  50余年間に引越し7回。人間って毎日の暮らしに必要なのは、ほんのわずかなモノで十分だと実感しています。収納したら忘れるし死ぬまでたぶん出さない。どんどん減らしていって、死ぬときはなーんもないっていう感じにしたいなあ。

◎今以上に家族は増えないから、最小限の部屋数。
  将来子どもと同居はしないつもりなので、子どもが遊びに来ると屋根裏部屋が寝室です。そこは壁も天井も合板のままで実は物置部屋なんだけど、置く物がないから一応客用寝室にもなっています。

◎今以上に夫婦関係が良くなるか悪くなるかわからないから、完全個室。
  普段は家のどこにいても気配を感じられる暮らし方をし、声も聞きたくない顔も見たくないときのために遮音シートを貼った部屋を1部屋つくりました。時々重宝しています。

◎今以上には稼げないけれど、妥協しないモノ選び。
  30代だったら「これは贅沢やで我慢してワンランク下げよう」と考えたでしょうが、人生もう過去より未来のほうが絶対短い50代。一生懸命働きづめだもの、毎日暮らす家は質の良い気に入ったモノに囲まれていたいと考えました。

◎今以上にアピールする必要はないから、地味な外観。
  地理的にわかりやすい場所に27年間住み、裏が深い竹林なので外壁は茶と白の平凡な外観です。塀や門はなく庭もオープン。これが我が家のコンセプトでもあります。

 
(居間の大きな窓から見える景色。季節ごとに移り行く田・山が美しいです。)
 
というわけで好き勝手につくったので、ローンが肩にずっしりと重過ぎて「なで肩」になっている私たちですが、とても心地よく生活しています。築3年目の家はそこそこ古びてきてこれから10年ぐらいが旬でしょう。
  ここまで読んでくださった奇特なあなた、
  我が家は24時間いつでもウエルカム エッブリバディです。「いいのかな、こんなときに」とか気になさるなら、どうぞアサヒスーパードライを持っておいでください。特別に歓迎いたします。それではツァイチェン(再会)!!
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市川邸上棟日に奉納(?)された市川ファミリーの似顔絵(お嬢さん作)


居酒屋“こらや”のママさん。(市川さんのご主人は名古屋で“えんや”という広告代理店をされています。おとうちゃんが「えんや」といえば、おかあちゃんは「こらや」ですね。)
市川さんは、ご新居に入居されてから「どこで寝たら いっちゃん気持ちいいか?」(市川さん言葉)ということで、いろんなところで寝てみたそうです。その結果、吹抜けの真下に寝るのが「いっちゃん気持ちいい」ということで、市川さんは吹抜けを独り占めして寝ていらっしゃるそうです。朝目が覚めた時、吹抜け南側の窓から入る陽の光が、ちょうど葉っぱの辺りに当たり“ええかんじ”なんだそうです。

 

木KeyPoint 谷宮





素人のコワさとプロの苦労

平成すまいの塾を受講した私はよりよい家づくりを目指して、夜も寝ないで昼寝して考えた末に、次のような結論に至りました。


 
ピカピカ立派で豪華な家はいや。
国籍のわからない家はいや。
周りの風景になじめない家はいや。
便利だけの家はいや。
完璧すぎる家はいや。
木のぬくもりのない家はいや。
夏暑く、冬寒い家はいや。
家族の気配が伝わらない家はいや。
人が集まりにくい家はいや。
そうじが大変な家はいや。
圧迫感のある家はいや
くるっと回れない家はいや。
玄関ホールに階段のある家はいや。
来客中にお風呂やトイレの入りにくい家はいや。

広い子供部屋はいや。

遊び心のない家はいや。
  (まだまだ、こわいくらい続きます。)
 

こんなややこしい注文を、なんと、我が家はクリアしてしまったのです。
関わってくださったすべての方に、足を向けては寝られません。
(どっちをむいて寝たらいいのかしら?)
きっととてもご苦労をおかけしたのでしょう。でも私は素人の一人、どんどん勝手な注文を出します。

こわいんです、素人は。そして、プロのご苦労がはじまります。特に担当さん、夢ばかり気球のようにふくらんでいる私に、つらい現実をつきつけなければなりません。
「予算オーバーです」「構造上、無理です」etc.・・・。

つらくて楽しい打ち合せが続きます。(チーズケーキを食べながら・・・。)そして大工さん、一段毎にサイズの違う棚の注文はするし、外壁を張っているはしから、施主みずから塗料ぬりだし、うろちょろするし・・・。(「ほんとに塗るのー?」と笑われました。)電気工事の方には、配線剥き出しの構造なので、とても神経をつかわせ、引戸だらけの家なので、スイッチをつける壁にもご苦労をかけました。(後に、プロの方から、「この配線工事は芸術的だねぇ」と言われました。)きりがありません。


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家づくりを考えながら、大切なことを学びました。
  家は入れ物ではなく、家族の生き方そのものだということ。
  どんな家族でありたいかを問わないと、家づくりはできないということ。
それぞれ快適な個室で過ごし、お互い干渉しない、迷惑をかけない家族になりたければ、カギのかけるプライバシーの保てる家をつくればいいでしょう。我が家は、ドアの少ない、閉じこもれない家です。子供に年齢差があり、就寝時間が違うので、テレビの音、話し声には気を使います。「うるさーい」「ごめーん」いつもそんな感じです。でも、それが家族というもの、お互い気を使いながら、生活することが大切。多少の不便も生活する楽しさと思い、快適に住んでいます。

 すまいの塾の講座は、そんな家づくりを気づかせてくれました。これから家づくりをされる方は、気力の続く限り(?)考えてください。そして、家をつくってくださる方々に、一緒に悩んでもらいましょう。ため息の出るくらいの大金を注ぎ込むのですから・・・
お金を節約するためにできることもたくさんあります。家もたくさん見て、あらさがしもしてください。(我が家へもどうぞ。かなりおせっかいな私です。)家づくりは、気力・体力がものをいいます。金銭的、時間的労働と睡眠不足を、ぜひ大きな喜びにつなげてください。

我が家を自分の家のように愛してくれる担当さんに感謝をこめて   井上尚子

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井上さんとはご縁があって、プラン作成から完成引き渡しまで、そして、ご入居後から現在に至るまでお付き合いさせていただいております。
井上さんはご自分の家に対する具体的なイメージを明確に持っておられました。私は、その井上さんの思いを実現するべく、時間をかけて1つ1つをクリアしていく(?)というか・・・説得したときもありましたね(笑)本当に2人は恋人同士ように、週に一度は必ず会っていました。
私は両手にいっぱいのプレゼント(いろんなカタログやサンプル)をもって、そして井上さんはモ○○フよりもおいしいチーズケーキを焼いて待っていてくれるのでした。

そんな時を重ねて出来上がった井上邸。現在はどんどん井上ファミーリー色に経年変化しています。これからもずっと、永く、お付き合いさせていただきたいです。

木KeyPoint 谷宮

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