調査レポート
景況動向調査
各種調査
もどる
景気動向調査
 平成28年4月  (平成28年4月末調査)
 岐阜県中小企業団体中央会では、県内中小企業の現況、課題を迅速にとらえ、これらの情報を関係行政等へ提供するとともに、本会事業の活用に資することを目的に、中小企業団体情報連絡員制度(政府指定事業)を実施しております。

 当制度に基づき、県内の主要業種70組合(うち70名分の集計)に中小企業団体情報連絡員を設置し、毎月の調査報告を収集しております。

 本レポートは、その中で、県内中小企業の景況動向について取りまとめたものであります。
  〔 1 〕4月の特色
◆ 景況感DI値マイナス20
◆ 売上高DI値 前月比10ポイントの改善
◆ 製造業の一部の業種では、熊本地震の影響が見られる
  〔 2 〕4月の概況
 当月の景気動向を前年同月比の景況感DI値でみると、好転2、悪化22で、DI値はマイナス20となり、前月のDI値マイナス23に対し、3ポイントの改善となった。
 業種別の景気動向を前年同月比の景況感DI値でみると、製造業のDI値はマイナス22となり、前月比で6ポイントの改善、非製造業のDI値はマイナス18となり、前月比で±0の横ばいとなった。
 なお、回答のあった70業種のうち、前年同月比で景況感が「好転」と回答した業種は、下呂温泉旅館、高山旅館の2業種(前月比−1業種)。
 また、「悪化」と回答した業種は16業種(前月比−3業種)となっている。

 主要な調査項目を見ていくと、売上高DI値はマイナス2で前月比10ポイントの改善、販売価格DI値はマイナス10で前月比4ポイントの悪化、収益状況DI値はマイナス14で前月比6ポイントの悪化、資金繰りDI値はマイナス6で前月比1ポイントの悪化となり、売上高DI値のみ改善の結果となった。

 コメントを見ると、製造業では、「海外生産体制が構築できつつあり、その結果、収益の好転につながっている。(縫製)」、「企画展が大変好評で、遠方から大勢の顧客、ファンが押し寄せ、活況を呈していた。(機械すき和紙)」など、プラスの内容が報告された。

 非製造業では、「桜の花見と舟下り、たらい舟等の観光客、飲食関係は特に夜間の送迎会が目立ち、賑わいがあった。(大垣市商店街)」、「今年の春の高山祭の入込数は、昨年を大きく上回った。外国人観光客が増加しており、外国人観光客の入込が増えている(高山旅館)」など、プラスの内容が報告された。

 熊本地震の影響については、「本震とその後の余震の影響により、組合員の熊本工場が停止。受注については他工場からの出荷で対応した。(プラスチック)」、「自動車部品の受注が減少。稼働率も低下。(鋳物)」、「車両関係部品加工メーカーは、自動車関連部品での売上・収益共に減少傾向。(刃物等金属製品(内需))」など、製造業からは工場の停止や受注の減少を伝える内容が報告された。
 その他、「長引く衣料消費の低迷と先行きの景況不安から、事業の縮小や廃業が目立っている。(婦人・子供服)」、「組合員の高齢化が進んでおり、廃業する店舗もある(家電機器販売)」など、組合員の廃業を伝える内容も報告された。
 
  主な調査項目での動向
売上高の動向は、前年同月比で増加30、減少32でDI値はマイナス2となり、前月のマイナス12に対し、10ポイントの改善となった。
 売上高が増加した業種は21業種(前月比+4業種)あり、食肉(国産)、菓子、米菓、メンズアパレル、縫製(既製服)、銘木、東濃ひのき、機械すき和紙、特殊紙、陶磁器(工業)、輸送用機器、機械・工具販売、共同店舗(飛騨)、生花販売、商店街(高山)、長良川畔旅館、下呂温泉旅館、高山旅館、理容・美容業、土木(岐阜地区)、電気工事である。
 売上が減少した業種は23業種(前月比−2業種)あり、特に窯業・土石、一般機械の区分で多かった。

販売価格の動向は、前年同月比で上昇7、低下17でDI値はマイナス10となり、前月のマイナス6に対し、4ポイントの悪化となった。
 販売価格が上昇した業種は5業種(前月比−1業種)あり、家具、特殊紙、刃物等金属製品(輸出)、高山旅館、旅行業である。
 販売価格が低下した業種は12業種(前月比+2業種)となった。

収益状況の動向は、前年同月比で好転10、悪化24でDI値はマイナス14となり、前月のマイナス8に対し、6ポイントの悪化となった。
 収益状況が好転した業種は7業種(前月比−2業種)あり、縫製(既製服)、機械すき和紙、プラスチック、機械・工具販売、商店街(高山)、下呂温泉旅館、高山旅館である。
  収益状況が悪化した業種は17業種(前月比+2業種)となった。

資金繰りの動向は、前年同月比で好転2、悪化8でDI値はマイナス6となり、前月のマイナス5に対し、1ポイントの悪化となった。
 資金繰りが好転した業種は2業種(前月比−2業種)あり、可児工業団地、高山旅館である。
 資金繰りが悪化した業種は6業種(前月比−1業種)となった。
[景況グラフを開く]

▲ページ上へもどる