調査レポート
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景気動向調査
 平成27年5月  (平成27年5月末調査)
 岐阜県中小企業団体中央会では、県内中小企業の現況、課題を迅速にとらえ、これらの情報を関係行政等へ提供するとともに、本会事業の活用に資することを目的に、中小企業団体情報連絡員制度(政府指定事業)を実施しております。

 当制度に基づき、県内の主要業種69組合(うち69名分の集計)に中小企業団体情報連絡員を設置し、毎月の調査報告を収集しております。

 本レポートは、その中で、県内中小企業の景況動向について取りまとめたものであります。
  〔 1 〕5月の特色
◆ 景況感DI値マイナス20 前月比横ばい
  〜うち非製造業においては5カ月連続で改善〜
◆ 円安による原材料価格等の高止まりで収益状況の厳しさ続く
  〔 2 〕5月の概況
 当月の景気動向を前年同月比の景況感DI値で見ると、好転8、悪化28で、DI値はマイナス20となり、前月のDI値マイナス20に対し、±0の横ばいとなった。
 さらに業種別の景気動向を前年同月比の景況感DI値でみると、製造業のDI値はマイナス36となり、前月比で3ポイントの悪化、非製造業のDI値はマイナス3となり、前月比で3ポイントの改善となった。なお、非製造業の景況感DI値は、1月末調査結果(DI値マイナス29)から、5カ月連続での改善となった。
 なお、回答のあった69業種のうち、前年同月比で景況感が「好転」と回答した業種は、機械・工具販売、青果販売、商店街(高山)、長良川畔旅館、高山旅館、鉄構造物の6業種(前月比±0業種)。
 また、「悪化」と回答した業種は20業種(前月比±0業種)となっている。

 主要な調査項目を見ていくと、売上高DI値はマイナス16で前月比5ポイントの悪化、販売価格DI値はプラス1で前月比2ポイントの改善、収益状況DI値はマイナス16で前月比2ポイントの改善、資金繰りDI値はマイナス9で前月比1ポイントの悪化となった。

 コメントを見ると、製造業では、「航空機関連は全ての事業所で操業度が上昇している。(可児工業団地)」、「機械関連の鋳物受注は好調。(鋳物)」など、プラスの内容が報告された一方で、「昨今のさらなる円安は、原材料調達コスト高になり、厳しい環境が続いており、再値上げを考えている企業もある。(家具)」、「収益状況は、どちらかと言えば悪化とする事業所が多い。売上増が期待できない中での原材料価格の上昇が大きな要因である。(機械すき和紙)」といった、円安による原材料価格等の高止まりにより、収益確保に苦慮するコメントが依然寄せられている。
 非製造業では、「新車・中古車ともに販売台数が前年同月よりは若干増加した結果となる模様。中古自動車販売)」、「全体には販売数・金額とも、前年に比べるとやや回復傾向にある。(家電機器販売)」など、プラスの内容が報告された一方で、「消費増税の駆け込み需要の反動から住宅着工は減少に転じており、柱などの構造材の売れ行きは不振である。(銘木)」といった、消費税増税による売上減に関するコメントが依然寄せられている。
 その他、「海外からの旅行者が消費税免税店で刃物類を多く購入する傾向があり、つめ切り類、包丁類は、生産が間に合わない状況も出ている。(刃物等金属製品(輸出))」、「4月に続き、連続して約10%の売上アップとなっている。その要因はインバウンドの顧客の増加が考えられる。(長良川畔旅館)」など、一部からは円安に伴う外国人観光客の増によるプラスのコメントが寄せられている。
  主な調査項目での動向
売上高の動向は、前年同月比で増加21、減少37でDI値はマイナス16となり、前月のマイナス11に対し、5ポイントの悪化となった。
 売上高が増加した業種は15業種(前月比−5業種)あり、縫製(既製服)、陶磁器(工業)、刃物等金属製品(輸出)、メッキ、青果販売、家電機器販売、中古自動車販売、共同店舗(飛騨)、生花販売、商店街(高山)、長良川畔旅館、高山旅館、旅行業、理容・美容業、木造建築である。
 売上が減少した業種は26業種(前月比−1業種)あり、特に木材・木製品、紙・紙加工品、窯業・土石、一般機械の区分で多い。

販売価格の動向は、前年同月比で上昇21、低下20でDI値はプラス1となり、前月のマイナス1に対し、2ポイントの改善となった。
 販売価格が上昇した業種は15業種(前月比+3業種)あり、牛乳、食肉(国産)、菓子、毛織物、家具、特殊紙、プラスチック、鋳物、刃物等金属製品(輸出)、陶磁器産地卸、青果販売、水産物商業、生花販売、高山旅館、旅行業である。
 販売価格が低下した業種は14業種(前月比+1業種)あり、特に一般機械の区分で多い。

収益状況の動向は、前年同月比で好転10、悪化26でDI値はマイナス16となり、前月のマイナス18に対し、2ポイントの改善となった。
 収益状況が好転した業種は7業種(前月比−2業種)あり、プラスチック、陶磁器(工業)、青果販売、生花販売、商店街(高山)、高山旅館、木造建築である。
 収益状況が悪化した業種は18業種(前月比−4業種)あり、特に木材・木製品、一般機械の区分で多い。

資金繰りの動向は、前年同月比で好転4、悪化13でDI値はマイナス9となり、前月のマイナス8に対し、1ポイントの悪化となった。
 資金繰りが好転した業種は3業種(前月比−1業種)あり、可児工業団地、機械・工具販売、長良川畔旅館である。
 資金繰りが悪化した業種は9業種(前月比±0)となった。
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