調査レポート
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景気動向調査
 平成25年1月  (平成25年1月末調査)
 岐阜県中小企業団体中央会では、県内中小企業の現況、課題を迅速にとらえ、これらの情報を関係行政等へ提供するとともに、本会事業の活用に資することを目的に、中小企業団体情報連絡員制度(政府指定事業)を実施しております。

 当制度に基づき、県内の主要業種70組合(うち70名分の集計)に中小企業団体情報連絡員を設置し、毎月の調査報告を収集しております。

 本レポートは、その中で、県内中小企業の景況動向について取りまとめたものであります。
  〔 1 〕1月の特色
景況感は概ね横這い  〜景況感DI値、前月比2ポイント改善 〜
製造業は景気回復に向けた期待感の高まりから回復の兆し
◆ 非製造業では依然、デフレと消費低迷で厳しい状況が続く
先行き景気回復への期待感が高まる中、円安進行による不安材料も多い
  〔 2 〕1月の概況
 当月の景気動向を前年同月比の景況感DI値で見ると、好転4、悪化37でDI値はマイナス33となり、前月のマイナス35に対し、2ポイントの改善となった。しかし、この改善は「悪化」から「不変」への変化が主因であり、実体はほぼ横這い。
 業種別でみると、製造業では“政府による緊急経済対策や円安・株高傾向に伴う景気回復に向けた期待感の高まり”から売上高、販売価格が改善し、景況感DI値は前月比12ポイントと大きく改善。一方、非製造業では“長引くデフレ、消費低迷”から、売上高、収益状況、資金繰りで大きく落ち込み、景況感DI値は前月比8ポイントの悪化となり、業種別で大きく景況感の動向が分かれている。
 なお、回答のあった70業種のうち、前年同月比で景況感が「好転」と回答した業種は、食肉(国産)、東濃ひのき、輸送用機器の3業種(前月比−1業種)となった。
 また、「悪化」と回答した業種は26業種(前月比−2業種)となり、繊維・同製品、紙・紙加工品、卸売業の区分で多かった。

 主要な調査項目を見ていくと、売上高DI値は前月比5ポイントの悪化、販売価格DI値は前月比4ポイントの改善、収益状況DI値は前月比12ポイントの悪化、資金繰りDI値は前月比11ポイントの悪化となっており、販売価格を除く調査項目で悪化となった。
 なお、それら主要な調査項目でも、非製造業の数値結果の落ち込みは顕著で、特に収益状況DI値(製造業 前月比 −3 / 非製造業 前月比 −20)、資金繰りDI値(製造業 前月比 ±0 / 非製造業 前月比 −22)で、非製造業の各数値が前月比20ポイント以上の悪化を示している。

 コメントを見ると、製造業では一般機械、輸送用機器の業種から、航空機関連の分野で引き続き“好調/受注は増加”といった報告が寄せられた他、当月は窯業・土石の業種から「新春見本市で、多くの見本(サンプル)の依頼があった(陶磁器(工業))」、「稼働率は昨年より堅調に推移(タイル)」、「政権交代による期待から明るいムード(砂利生産)」といった明るいコメントが見られた。
 小売業からは「販売単価と販売数の減少で売上金額は激減(家電機器販売)」、「消費者の買い控えは改善されず、需要は低下したまま(中古自動車販売)」、「客単価が大幅に減少(共同店舗(飛騨地区))」といった、デフレの状況や消費の低迷で厳しいとの報告が目立った。
 建設業からは、年度末のため公共工事等の受注は増加傾向にあるが、「受注価格は採算が取れるラインまでに至っていない(鉄構造物)」、「受注単価は厳しいものがある(管設備工事)」といった取引条件で厳しいコメントが寄せられている。
 先行きについては、新政権に対する景気回復への政策に期待を寄せる声が幅広い業種から上がっている。一方で、「円安傾向で、この先コストアップが懸念される(メンズアパレル)」、「円安による燃料や電気代の高騰などで先行き不透明な状況が続く(石灰)」など、円安の進行による燃料や原材料価格の上昇、電力料金の値上げを懸念する声も少なくない。

  主な調査項目での動向
売上高の動向は、前年同月比で増加17、減少52でDI値はマイナス35となり、前月のマイナス30に対し、5ポイントの悪化となった。
 売上高が増加した業種は12業種(前月比−1業種)あり、食肉(国産)、銘木、東濃ひのき、機械すき和紙、タイル、砂利生産、可児工業団地、輸送用機器、青果販売、自動車車体整備、鉄構造物、木造建築である。
 売上高が減少した業種は37業種(前月比+3業種)あり、特に繊維・同製品、紙・紙加工品、卸売業、商店街、サービス業、運輸業に多い。

販売価格の動向は、前年同月比で上昇11、低下20でDI値はマイナス9となり、前月のマイナス13に対し、4ポイントの改善となった。
 販売価格が上昇した業種は8業種(前月比+3業種)あり、食肉(国産)、菓子、銘木、タイル、砂利生産、砕石生産、可児工業団地、鉄構造物である。
 販売価格が低下した業種は14業種(前月比±0業種)あり、特に卸売業に多い。

収益状況の動向は、前年同月比で好転5、悪化50でDI値はマイナス45となり、前月のマイナス33に対し、12ポイントの悪化となった。
 収益状況が好転した業種は4業種(前月比−2業種)あり、輸送用機器、自動車車体整備、鉄構造物、木造建築である。
 収益状況が悪化した業種は35業種(前月比+6業種)あり、特に繊維・同製品、紙・紙加工品、卸売業、小売業、商店街、建設業に多い。

資金繰りの動向は、前年同月比で好転1、悪化35でDI値はマイナス34となり、前月のマイナス23に対し、11ポイントの悪化となった。
 資金繰りが好転した業種は1業種(前月比−2業種)あり、輸送用機器である。
 資金繰りが悪化した業種は25業種(前月比+6業種)あり、特に小売業、運輸業に多い。
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