調査レポート
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景気動向調査
 平成19年10月  (平成19年10月末調査)
 岐阜県中小企業団体中央会では、県内中小企業の現況、課題を迅速にとらえ、これらの情報を関係行政等へ提供するとともに、本会事業の活用に資することを目的に、中小企業団体情報連絡員制度(政府指定事業)を実施しております。

 当制度に基づき、県内の主要業種85組合(うち83名分の集計)に中小企業団体情報連絡員を設置し、毎月の調査報告を収集しております。

 本レポートは、その中で、県内中小企業の景況動向について取りまとめたものであります。
  〔 1 〕10月の特色
◆ 景況感DI値若干の改善
◆ 売上高・収益状況とも不安定な動きが続く
  〔 2 〕10月の概況
 当月の景気動向を前年同月比景況感DI値で見ると、好転4、悪化44でDI値はマイナス40となり、前月のマイナス44に対し、4ポイントの改善となっている。

 景況感DI値は、前月の大幅な悪化の動きから、若干の改善となった。改善の要因は、先月大きく減少した好転業種が若干増加したことによる。

 業種別の業況概況では、83業種のうち、好転したのが3業種(米菓、広告美術、軽運送)に限られ、半数近い43業種では横這いとなっている。

 他の主要な調査項目については、売上高DI値マイナス37で、前月比4ポイント、販売価格DI値マイナス9で、前月比1ポイントの悪化となった。収益状況DI値マイナス39で、前月比3ポイントの改善の動きとなった。

 コメントでは、業況の低迷要因として、材料費、燃料費の上昇と価格転嫁難による収益圧迫を指摘する意見が依然多く、一部に価格転嫁への理解が得られた業種も見られるものの、多くの業種では依然厳しい状況が続いている。また、先月に続き、建築基準法の改正に伴う確認申請の遅れにより、工事物件の大幅な減少が続き、建設業の業況は悪化傾向が強まっている。

 前年同月比景況感好転業種は、米菓、広告美術、軽運送の3業種に対し、悪化業種は37業種である。特に、繊維・同製品(7業種)、窯業・土石(5業種)、各種物産品製造(2業種)、建設業(6業種)の業種区分に悪化傾向が強い。

  主な業種区分の業況概況
食料品
 前年同月比売上は動向が分れ、食肉、米菓で増加、牛乳・乳製品、豆腐で横這い、菓子、寒天水産、製麺で減少となった。全体では、収益状況、景況感の回復傾向は弱く、依然厳しい業況が続いている。

繊維・同製品

 前年同月比売上は、織物等川上業種、アパレル関連ともに全業種で減少となっている。景況感についても、全ての業種で悪化となり、また、収益状況の悪化傾向も強いなど業界は非常に厳しい状況がとなっている。

木材・木製品
 前年同月比売上は、増加となった銘木を除き、他は全て横這いとなった。業界は、住宅着工数の低迷等により、厳しい業況が続いている。

紙・紙加工品、印刷、プラスチック
 前年同月比売上は、家庭紙で増加、特殊紙、紙加工品、印刷、プラスチックで横這いとなった。全体では、収益状況、景況感に改善傾向も無く、依然厳しい状況が続いている。

窯業・土石
 前年同月比売上は、増加となった砕石を除き、他は全て減少となった。全体では、収益状況、景況感に悪化傾向が強く、依然厳しい状況が続いている。

機械・金属
 前年同月比売上は、全般に横這いまたは減少となった。材料費、燃料費等の価格上昇の影響により、収益状況が悪化傾向となっている。

各種物産品

 前年同月比売上は、先月に続き、観光物産品、ギフトともに減少となった。収益状況、景況感についても、両業種ともに悪化となるなど、強い業況悪化の動きが続いている。

卸売業
 前年同月比売上は、全般に横這い又は減少となった。依然、収益状況の悪化傾向は強く、景況感に回復傾向もなく厳しい状況である。

小売業

 前年同月比売上は動向が分かれ、石油製品販売、共同店舗(東濃)、生花販売で増加、青果販売で横這い、水産物商業、家電機器販売、メガネ販売、中古自動車販売、共同店舗(飛騨)で減少となった。全般に消費需要の低迷、低価格志向、競争激化等の収益圧迫要因も強く、厳しい業況が続いている。

商店街

 前年同月比売上は、全般に横這い又は減少となった。その中で、恵那市は増加となった。全体では、収益状況、景況感に悪化傾向が強く、商店街の不況感は強く厳しい状況が続いている。

サービス業

 前年同月比売上は、全般に横這い又は減少となっている。その中で、広告・美術業は増加となった。全体では、販売価格、景況感等横這い傾向となっている。

建設業
 前年同月比売上は、横這いとなった建築設計を除き、他は全て減少となった。10業種中6業種で、売上高、収益状況、景況感が悪化となるなど、非常に厳しい状況である。

運輸業

 前年同月比売上は、軽運送で増加、貨物運送で横這いとなった。軽運送は、急送品の需要の増加等により売上、収益ともに改善となった。
  主な調査項目での動向
売上動向は、前年同月比で増加13、減少50でDI値はマイナス37となり、前月のマイナス33に対し、4ポイントの減少となっている。
 DI値は、前月、6ヶ月ぶりに改善の動きとなったが、当月再び減少の動きとなった。前月の動向との比較では、繊維・同製品に大きな減少傾向が出ている。
 売上増加となった業種は、食肉、米菓、銘木、家庭紙等11業種である。
 売上減少となった業種は、41業種である。特に、繊維・同製品、窯業・土石、各種物産品製造、小売業、建設業の業種区分に悪化傾向が強い。

販売価格の動向は、前年同月比で上昇10、下降19でDI値はマイナス9となり、前月のマイナス8に対し、1ポイントの悪化の動きとなっている。
 販売価格が上昇した業種は前月より1業種増加したが、下降業種も3業種増加したことによる悪化である。
 販売価格が上昇した業種は、家庭紙、特殊紙、紙加工品、鋳物等8業種である。
 販売価格が下降した業種は、16業種である。特に、建設業の業種区分に悪化傾向が強い。

収益状況の動向は、前年同月比で好転7、悪化46でDI値はマイナス39となり、前月のマイナス42に対し、3ポイントの改善の動きとなっている。
 DI値は、緩やかな改善傾向が見られるが、依然強いマイナスの値であり、厳しい収益状況が続いている。
 収益状況が好転となった業種は、米菓、輸送用機器、生花販売等6業種である。
 収益状況が悪化となった業種は、46業種である。特に、繊維・同製品、窯業・土石、各種物産品、卸売業、商店街、建設業の業種区分に悪化傾向が強い。

資金繰りの動向は、前年同月比で好転4、悪化23でDI値はマイナス19となり、前月のマイナス22に対し、3ポイントの改善となったが、依然水面下の状況が続いている。特に、建設業で悪化傾向が強い。
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