調査レポート
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景気動向調査
 平成19年5月  (平成19年5月末調査)
 岐阜県中小企業団体中央会では、県内中小企業の現況、課題を迅速にとらえ、これらの情報を関係行政等へ提供するとともに、本会事業の活用に資することを目的に、中小企業団体情報連絡員制度(政府指定事業)を実施しております。

 当制度に基づき、県内の主要業種85組合(うち83名分の集計)に中小企業団体情報連絡員を設置し、毎月の調査報告を収集しております。

 本レポートは、その中で、県内中小企業の景況動向について取りまとめたものであります。
  〔 1 〕5月の特色
◆ 景況感再び悪化
◆ 売上高、収益状況大幅に悪化
  〔 2 〕5月の概況
 当月の景気動向を前年同月比景況感DI値で見ると、好転5、悪化32でDI値はマイナス27となり、前月のマイナス20に対し、7ポイントの悪化となっている。
 景況感DI値は、前月の大幅な改善の動きとは反対に、再び大幅な悪化となるなど不安定な動きとなっている。

 他の主要な動向については、それぞれ前月の動向に対し、売上高DI値はマイナス27で6ポイント、販売価格DI値はマイナス5で2ポイント、収益状況DI値はマイナス33で5ポイントと全て悪化の動きとなった。特に、売上高DI値は3ヶ月連続での悪化となり、今後の推移が懸念される。

 業種別の業況概況は、概ね前月と同様であるが、特記すべきこととして、鉄鋼・金属並びに機械関連の3業種区分が堅調を持続していること、建設業の業種区分では引き続き厳しい状況が続いていることがあげられる。

 コメントでは、業況の低迷要因として、材料費、燃料費の上昇によるコスト増と価格転嫁難による収益面への影響を指摘する意見が多くの業種から出ている。

 前年同月比景況感好転業種は、米菓、電気機械器具、輸送用機械、広告美術の4業種である。

 前年同月比景況感悪化業種は、27業種である。特に、卸売業(2業種)、建設業(6業種)の業種区分に悪化傾向が強い。
  主な業種区分の業況概況
食料品
 前年同月比売上は、米菓で増加、牛乳・乳製品、豆腐、食肉で横這い、菓子、寒天水産、製麺で減少となった。一部業種に改善の動きが見られるが、全体では、収益状況、景況感の回復傾向は弱く、依然厳しい業況が続いている。

繊維・同製品

 織物等川上業種では、前年同月比売上は全般に横這いとなった。その中で、ニット工業は増加となった。アパレル関連は、紳士服、婦人・子供服で横這い、縫製は悪化傾向となっている。全体では、販売価格、収益状況、景況感等ほぼ横這いの状況となっている。

木材・木製品
 前年同月比売上は、全般に横這い又は減少となった。全体では、販売価格、収益状況、景況感等ほぼ横這いの状況となっている。

紙・紙加工品、印刷、プラスチック
 前年同月比売上は、横這い又は減少となった。その中で家庭紙は増加となった。全体では、収益状況、景況感に改善傾向も無く、依然厳しい状況が続いている。

窯業・土石
 前年同月比売上は、横這い又は減少となった。石灰は減少となった。建設資材は、全業種で減少となった。全体では、売上高、収益状況に悪化傾向が強く、景況感に改善傾向も無い厳しい状況が続いている。

機械・金属
 前年同月比売上は、刃物等金属製品(内需)、電気機械器具、輸送用機器で増加、鋳物、刃物等金属製品(輸出)、メッキ、可児工業団地で横這い、県金属工業団地、金型で減少となった。全体的には、生産活動は活発であるが、一方で、原材料等の価格上昇による収益圧迫の状況が続いていることが問題である。

各種物産品

 年同月比売上は、観光物産品で横這い、ギフトで減少となった。ギフトにおいては、依然、収益状況、景況感等の悪化が続く厳しい状況が続いている。

卸売業
 前年同月比売上は、電設資材卸、陶磁器産地卸、機械・工具販売で横這い、医薬品卸、で減少となった。堅調に推移している機械・工具販売を除き厳しい状況である。

小売業

 前年同月比売上は動向が分かれ、共同店舗(東濃)で増加、青果販売、石油製品販売で横這い、水産物商業、家電機器販売、メガネ販売、中古自動車販売、共同店舗(飛騨)、生花販売で減少となった。全般に消費需要の低迷、低価格志向、競争激化等の収益圧迫要因も強く、厳しい業況が続いている。

商店街

 前年同月比売上は、全般に横這い又は減少となった。その中で、恵那市は増加となった。全体では、収益状況、景況感に回復傾向はなく、商店街の不況感は強く厳しい状況が続いている。

サービス業

 前年同月比売上は、全般に横這い又は減少となっている。その中で、広告美術、映像制作は増加となった。全体では、販売価格、収益状況、景況感等横這い傾向となっている。

建設業
 前年同月比売上は、横這い又は減少となっている。その中で、電気工事は増加となった。土木(岐阜地区、飛騨地区、羽島地区)においては、主要指標の悪化傾向が特に強く厳しい状況である。業界は、年度初めの公共工事端境期、民需低迷による低水準の受注状況のため、公共工事の早期発注の強い要望が出ている。

運輸業

 前年同月比売上は、貨物運送で横這い、軽運送で減少となった。収益状況、景況感についても改善傾向は無く、厳しい状況となっている。

  主な調査項目での動向
売上動向は、前年同月比で増加13、減少40でDI値はマイナス27となり、前月のマイナス21に対し、6ポイントの減少となっている。
 前月に続き3ヶ月連続での悪化となった。前月の動向との比較では、小売業、建設業等の業種区分に悪化傾向が出ている。
 売上増加となった業種は、米菓、ニット工業、家庭紙等11業種である。
 売上減少となった業種は、33業種である。特に、窯業・土石、小売業、建設業の業種区分に悪化傾向が強い。

販売価格の動向は、前年同月比で上昇11、下降16でDI値はマイナス5となり、前月のマイナス3に対し、2ポイントの悪化の動きとなっている。
 販売価格の上昇した業種は、9業種と前月と変わらないが、下降業種が2業種増加したため、DI値も2ヶ月連続で減少傾向となっている。
 販売価格が上昇した業種は、食肉、縫製、家庭紙等9業種である。
 販売価格が下降した業種は、13業種である。特に、卸売業、建設業の業種区分に悪化傾向が強い。

収益状況の動向は、前年同月比で好転6、悪化39でDI値はマイナス33となり、前月のマイナス28に対し、5ポイントの悪化の動きとなっている。
 DI値は、売上動向と同様に不安定な動きをしている。また、DI値の水準は、再びマイナス30ポイント台の強いマイナスの値となるなど、極めて強い悪化傾向となっている。
 収益状況が好転となった業種は、米菓、ニット工業、輸送用機器、共同店舗(東濃)、広告美術である。
 収益状況が悪化となった業種は、32業種である。特に、卸売業、商店街、建設業の業種区分に悪化景況が強い。

資金繰りの動向は、前年同月比で好転6、悪化16でDI値はマイナス10となり、前月のマイナス12に対し、3ポイントの改善となったが、依然、水面下の状況が続いている。
 資金繰りが好転となった業種は、米菓、刃物等金属製品(内需)、電気機械器具、輸送用機器、広告美術である。
 資金繰りが悪化となった業種は、13業種である。特に、小売業の業種区分に悪化傾向が強い。

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