調査レポート
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景気動向調査
 平成19年2月  (平成19年2月末調査)
 岐阜県中小企業団体中央会では、県内中小企業の現況、課題を迅速にとらえ、これらの情報を関係行政等へ提供するとともに、本会事業の活用に資することを目的に、中小企業団体情報連絡員制度(政府指定事業)を実施しております。

 当制度に基づき、県内の主要業種85組合(うち84名分の集計)に中小企業団体情報連絡員を設置し、毎月の調査報告を収集しております。

 本レポートは、その中で、県内中小企業の景況動向について取りまとめたものであります。
  〔 1 〕2月の特色
◆ 景況感持ち直し気配
◆ 売上高DI値は大幅後退
  〔 2 〕2月の概況
 当月の景気動向を前年同月比景況感DI値で見ると、好転4、悪化28でDI値はマイナス24となり、前月のマイナス26に対し、2ポイントの改善となっている。
 景況感DI値は、2ヶ月連続の改善の動きとなり、11月の大幅な悪化の後、緩やかな改善傾向が続いている。

 他の主要な動向についても、それぞれ前月の動向に対し、売上高DI値17ポイント、販売価格DI値5ポイント、収益状況DI値1ポイントの改善の動きとなった。売上高DI値の改善要因は、悪化から不変への変化が大きく、また、前月のサービス業等を中心に大きく下降した動向に対する反動の形となっている。

 業種別の業況概況は、概ね前月と同様であるが、特記すべきこととして機械関係が堅調を持続していること、建設では引続き厳しい状況が続いていることがあげられる。

 コメントでは、依然、原材料価格等の値上りによるコスト増と価格転嫁難を指摘する意見は多い。価格転嫁への理解が得られた業種も一部しか見られないため、多くの業種では、収益面は依然として厳しい状況が続いている。

 前年同月比業況悪化が特に多い業種区分は、卸売業、建設業である。
 前年同月比業況好転業種は、食肉、米菓、輸送用機器である。

  主な業種区分の業況概況
食料品
 前年同月比売上は動向が分れ、食肉で増加、牛乳・乳製品、豆腐、米菓、寒天水産、製麺で横這い、菓子で減少となった。一部業種に改善の動きが見られるが、全体では、販売価格、収益状況等ほぼ横這いの状況となっている。

繊維・同製品

 織物等川上業種では、前年同月比売上で動向が分かれ、ニット工業で増加、毛織物、合成繊維織物で横這い、撚糸で減少となった。アパレル関連は、紳士服、縫製で横這い、婦人・子供服で減少となった。全体では、販売価格、収益状況、景況感等ほぼ横這いの状況となっている。

木材・木製品

 前年同月比売上は、製材で増加、集成材、東濃ひのきで横這い、銘木で減少となった。資材価格の値上がりとともに、販売価格資材の値上がりの動きも見られるが、全体的には、収益状況、景況感等横這い傾向で推移している。

紙・紙加工品、印刷、プラスチック
 前年同月比売上は、家庭紙、プラスチックで増加、特殊紙、印刷で横這い、紙加工品で減少となった。売上が増加した業種においても、原材料の値上がりの影響等により収益状況は、依然厳しい状況である。

窯業・土石
 前年同月比売上は、横這い又は減少となった。石灰は増加となった。建設資材では、全業種で横這いとなった。全体では、販売価格、収益状況等ほぼ横這いの状況となった。

機械・金属
 前年同月比売上は、鋳物、輸送用機器で増加、刃物等金属製品(輸出、内需)、メッキ、県金属工業団地、可児工業団地、電気機械器具で横這い、金型で減少となった。全体的には、依然、生産活動が活発である。また、一方で、原材料等の価格上昇による収益圧迫の状況が続いている。

各種物産品

 年同月比売上は、観光物産品で増加、ギフトで横這いとなった。ギフトにおいては、依然、収益状況、景況感等の悪化が続く厳しい状況である。
卸売業
 前年同月比売上は、機械・工具販売で増加、電設資材卸で横這い、医薬品卸、陶磁器産地卸で減少となった。医薬品卸、陶磁器産地卸においては、前月に続き主要指標の悪化傾向が特に強く厳しい状況である。

小売業

 前年同月比売上は動向が分かれ、石油製品販売、共同店舗(東濃)で増加、青果販売、水産物商業、共同店舗(飛騨)で横這い、家電機器販売、メガネ販売、中古自動車販売、生花販売で減少となった。消費需要は、依然低迷を続けており、また、低価格志向、競争激化等により収益圧迫要因も強く、厳しい業況が続いている。

商店街

 前年同月比売上は、横這い又は減少となっている。全般に収益状況、景況感の悪化傾向が強く厳しい状況となっている。特に、岐阜市においては主要指標が全て悪化となるなど、厳しい業況悪化の動きとなっている。

サービス業

 前年同月比売上は、全般に横這い又は減少となっている。その中で、自動車車体整備、理容・美容業は増加、飲食業は減少となった。全体では、販売価格、収益状況、景況感等ほぼ横這いの状況となっている。

建設業
 建設業は、前年同月比売上は、横這い又は減少となっている。土木(岐阜地区、飛騨地区)においては、主要指標の悪化傾向が特に強く厳しい状況である。業界は、公共工事の発注量の減少、激しい企業間競争等、厳しい受注状況により収益状況、景況感の悪化傾向が強く厳しい状況である。

運輸業

 前年同月比売上は、貨物運送、軽運送ともに減少となった。収益状況、景況感についても改善傾向は無く、厳しい状況となっている。
  主な調査項目での動向
売上動向は、前年同月比で増加17、減少28でDI値はマイナス11となり、前月のマイナス28に対し、17ポイントの大幅な改善となっている。
 DI値は、前月の大幅な減少の動きに対して、今回は、大幅な改善となるなど、不安定な状況が続いている。前月の動向との比較では、サービス業等に改善傾向が出ている。
 売上増加となったのは、食肉、ニット工業、製材等は14業種の業種分野に分散している。
 減少回答が特に多いのは、卸売業、建設業、運輸業である。

販売価格の動向は、前年同月比で上昇12、下降15でDI値はマイナス3となり、前月のマイナス8に対し、5ポイントの改善の動きとなっている。
 前月まで2ヶ月連続での悪化の動きであったが、今回は、反対に改善の動きとなった。前月の動向との比較では、食料品、紙・紙加工品等に改善傾向が出ている。
 前年同月比販売価格が上昇したのは、食肉、製材、家庭紙等10業種の業種分野に分散している。
 下降業種が特に多いのは、卸売業、建設業である。

収益状況の動向は、前年同月比で好転5、悪化34でDI値はマイナス29となり、前月のマイナス30に対し、1ポイントの改善の動きとなっている。
 DI値は、緩やかな改善傾向が見られるが、依然強いマイナスの値であり、また、改善の要因は悪化から不変への変化によるものであるなど、ほぼ横這いの動きとなっている。
 収益状況が好転となったのは、米菓、輸送用機器、各種物産品(観光)、共同店舗(東濃)である。
 悪化業種が特に多いのは、卸売、小売、建設業である。

資金繰りの動向は、前年同月比で好転5、悪化17でDI値はマイナス12となり、前月のマイナス15に対し、3ポイントの改善となったが、依然水面下の状況が続いている。特に、建設業で悪化傾向が強い。
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