調査レポート
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景気動向調査
 平成18年7月  (平成18年7月末調査)
 岐阜県中小企業団体中央会では、県内中小企業の現況、課題を迅速にとらえ、これらの情報を関係行政等へ提供するとともに、本会事業の活用に資することを目的に、中小企業団体情報連絡員制度(政府指定事業)を実施しております。

 当制度に基づき、県内の主要業種85組合(うち83名分の集計)に中小企業団体情報連絡員を設置し、毎月の調査報告を収集しております。

 本レポートは、その中で、県内中小企業の景況動向について取りまとめたものであります。
  〔 1 〕7月の特色
◆ 景況感、売上高、収益状況DI値大きく後退
◆ 原油価格上昇・天候不順が影響
  〔 2 〕7月の概況
 当月の景気動向を前年同月比景況感DI値で見ると、好転6、悪化40でDI値はマイナス34となり、前月のマイナス24に対し、10ポイントの大幅な悪化となっている。4ヶ月連続の悪化となり、平成17年4月以来、再びマイナス30台となり、景況感が大きく後退した。

 他の主要な調査項目についても、売上高マイナス28で、前月比16ポイント、収益状況マイナス40で、前月比9ポイントと大幅に悪化し、販売価格もマイナス8で前月比2ポイントの悪化となった。

 業種別に景況動向を見ると、概ね前月と同様、一般機械、輸送用機器の業況は堅調を持続し、建設は厳しい状況となっている。

 コメントによれば、業況の低迷要因として、原油価格上昇による原材料費、燃料費の上昇と価格転嫁難が収益を圧迫しているという指摘が一段と増え、また、堅調を持続している機械関係の業種においても、同様の指摘が依然として強い。
 さらに今月は、商店街等で天候不順の影響による売上減少の指摘が多くあった。

 前年同月比業況悪化が特に多い業種は、食料品、商店街、建設業、運輸業である。
 前年同月比業況好転業種は、米菓、電気機械器具、輸送用機器、機械・工具販売、広告美術である。
  主な業種区分の業況概況
食料品
 前年同月比売上は、全般に低調横這い又は減少となった。その中で、米菓は前月に続き増加となった。全般に収益状況、景況感の悪化傾向は強く、依然厳しい業況が続いている。

繊維・同製品
 織物等川上業種では、前年同月比売上は全般に低調横這いとなった。アパレル関連は、紳士服で増加、縫製で減少となった。全体では、収益状況、景況感ともに回復の動きはなく、業界は依然、厳しい状況が続いている。

木材・木製品
 前年同月比売上は、全体的に低調横這い又は減少となっている。東濃ひのきにおいては、先月に続き、主要指標の全てが悪化と厳しい状況。戸建木造住宅の建設不振の中、業界は厳しい状況が続いている。

紙・紙加工品、印刷、プラスチック
 前年同月比売上は、低調横這い又は減少となった。全般的に、収益状況に悪化傾向が強く、景況感も回復傾向のない厳しい状況である。

窯業・土石
 前年同月比売上は、全般に低調横這い又は減少となっている。石灰は減少傾向となった。建設資材の土石では、全般に低調横這い、又は減少傾向である。全体では、収益状況、景況感に悪化傾向が強く、依然厳しい状況が続いている。

機械・金属
 前年同月比売上は、メッキ、電気機械器具、輸送用機器で増加、鋳物、刃物等金属製品(輸出、内需)、県金属工業団地、可児工業団地、金型で堅調が続いた。業界は、引続き活発な生産活動、景況改善の傾向にある。懸念材料は、原材料等の価格上昇が続き、そのコストアップを価格へ転嫁できないため、収益を圧迫し、収益の回復力が弱いことである。

各種物産品

 前年同月比売上は、観光物産品で増加、ギフトで減少となった。ギフトにおいては、依然、強い業況悪化の動きが続いている。

卸売業
 前年同月比売上は、機械・工具販売で増加、医薬品卸、電設資材卸で横這い、陶磁器産地卸で減少となった。需要低迷が続く中、全体的に厳しい状況が続いている。その中で、機械・工具販売は堅調に推移している。

小売業
 前年同月比売上は動向が分かれ、石油製品販売、共同店舗(東濃)で増加、青果販売、水産物商業、家電機器販売、メガネ販売、中古自動車販売、共同店舗(飛騨)で低調横這い、生花販売で減少となった。業界は、消費需要の低迷に加え、低価格志向、競争激化等の収益圧迫要因も強く、また、長雨等の天候不順の影響もあり、厳しい業況となっている。

商店街
 前年同月比売上は、大垣市の低調横這いを除き、全般に減少となった。収益状況、景況感も悪化傾向が強く、また、長雨等の天候不順の影響もあり、厳しい業況となっている。

サービス業
 前年同月比売上は動向が分かれ、広告美術で増加、自動車タイヤ整備、映像制作、飲食業、ビルメンテナンスで低調横這い、自動車車体整備、観光旅館(長良川畔、下呂温泉、高山)、クリーニング、理容・美容業で減少となった。全体の景況は、販売価格、収益状況等ほぼ横這いの状況となっている。
 しかし、観光旅館は、前月同様、昨年の愛知万博の反動により、前年比大きく悪化している。

建設業
 前年同月比売上は、全般に減少又は低調横這いとなっている。土木(岐阜地区、飛騨地区)、土木・建築(羽島地区)、産直住宅においては、主要指標の悪化傾向が特に強く厳しい状況である。業界は発注量の減少、民需低迷による低水準の受注状況等により業況悪化の厳しい状況が続いている。

運輸業
 前年同月比売上は、貨物運送で増加、軽運送で減少となった。軽運送については、前月に続き主要指標の悪化傾向が強く、厳しい状況となった。
  主な調査項目での動向
売上動向は、前年同月比で増加12、減少40でDI値はマイナス28となり、前月のマイナス12に対し、16ポイントの大幅な悪化となっている。
 DI値は、前月まで3ヶ月連続でマイナス12が続いたが、今回は、窯業・土石、小売、サービス業を中心に大幅な悪化となり、今後の推移が懸念される。
 売上増加となったのは、米菓、紳士服、メッキ等10業種である。
 減少業種が多いのは、窯業・土石、商店街、サービス業、建設業である。

販売価格の動向は、前年同月比で上昇12、低下16でDI値はマイナス4となり、前月のマイナス2に対し、2ポイントの悪化の動きとなっている。
 販売価格の上昇した業種は、10業種で前月と同数であったが、悪化業種が増加し、DI値は2ヶ月連続で悪化となっている。
 前年同月比販売価格が上昇したのは、食肉、製材、紙加工品等10業種である。

収益状況の動向は、前年同月比で好転8、悪化47でDI値はマイナス39となり、前月のマイナス30に対し、9ポイントの大幅な悪化の動きとなっている。
 最近3ヶ月のDI値マイナス30前後で推移していたが、当月は突出した大幅な悪化である。コストアップ分を価格転嫁できない業種が拡大している。
 収益状況が好転となったのは、米菓、輸送用機器、各種物産品(観光)等7業種である。
 悪化業種が特に多いのは、食料品、商店街、建設業である。

資金繰りの動向は、前年同月比で好転5、悪化23でDI値はマイナス18となり、前月のマイナス14に対し、4ポイントの悪化となり依然、厳しい状況である。特に、建設業で悪化傾向が強い。
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