調査レポート
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景気動向調査
 平成18年6月  (平成18年6月末調査)
 岐阜県中小企業団体中央会では、県内中小企業の現況、課題を迅速にとらえ、これらの情報を関係行政等へ提供するとともに、本会事業の活用に資することを目的に、中小企業団体情報連絡員制度(政府指定事業)を実施しております。

 当制度に基づき、県内の主要業種85組合(うち83名分の集計)に中小企業団体情報連絡員を設置し、毎月の調査報告を収集しております。

 本レポートは、その中で、県内中小企業の景況動向について取りまとめたものであります。
  〔 1 〕6月の特色
◆ 景況感停滞
◆ 原油価格上昇の影響による原材料価格等の上昇が依然厳しい
  〔 2 〕6月の概況
 当月の景気動向を前年同月比景況感DI値で見ると、好転10、悪化34でDI値はマイナス24となり、前月のマイナス23に対し、1ポイントの悪化となっている。2ヶ月連続の改善の動きの後、直近3ヶ月は連続して悪化している。

 他の主要な動向については、それぞれ前月の動向に対し、売上高DI値は、前月と同数値の横這い、販売価格DI値、収益状況DI値はともに2ポイントの悪化の動きとなった。

 業種別に景況動向を見ると、概ね前月と同様、一般機械、輸送用機器の業況は好調、建設は厳しい状況となっている。
 コメントの中には、業況の低迷要因として、依然、原油価格の高騰による燃料や諸原材料の価格上昇、高止まりによる、仕入・輸送コストの上昇と価格転嫁難が多くの業種から出ている。また、好調な機械関係の業種においても、原材料、資材価格の上昇が大きく収益を圧迫しているとの指摘が強い。

 前年同月比業況悪化が特に多い業種は、建設業である。
 前年同月比業況好転業種は、米菓、電気機械器具、輸送用機器、金型、各種物産品(観光)、機械・工具販売、生花販売、広告美術である。
  主な業種区分の業況概況
食料品
 前年同月比売上は、全般に低調横這い又は減少となった。その中で、米菓は前月に続き増加となった。全般に収益状況、景況感の回復傾向は弱く、依然厳しい業況が続いている。

繊維・同製品
 織物等川上業種では、前年同月比売上で動向が分かれ、合成繊維織物で増加、撚糸、ニット工業で低調横這い、毛織物で減少となった。アパレル関連は、全業種で減少となった。全体では、収益状況、景況感ともに回復はなく、業界は依然、厳しい状況が続いている。

木材・木製品
 前年同月比売上は、全体的に低調横這い又は減少となっている。東濃ひのきにおいては、先月に続き、主要指標の全てが悪化と厳しい状況。住宅産業の低迷の中、業界は厳しい状況が続いている。

紙・紙加工品、印刷、プラスチック
 前年同月比売上は、低調横這い又は減少となった。その中で、紙加工品は増加となった。全般的に、収益状況に悪化傾向が強く、景況感も回復傾向のない厳しい状況である。

窯業・土石
前年同月比売上は、全般に低調横這い又は減少となっている。その中で、陶磁器(輸出)は増加となった。石灰は減少傾向となった。建設資材の土石では、砕石で増加、砂利で低調横這いとなった。全体では、収益状況、景況感に改善傾向は無く、依然厳しい状況が続いている。

機械・金属
 前年同月比売上は、刃物等金属製品(内需)、メッキ、電気機械器具、輸送用機器で増加、鋳物、刃物等金属製品(輸出)、県金属工業団地、可児工業団地、金型で横這いとなった。業界は、引続き需要回復、景況改善の傾向にある。懸念材料は、原材料等の価格上昇の影響により収益の回復力が弱いことである。

各種物産品

 前年同月比売上は、観光物産品で増加、ギフトで減少となった。ギフトにおいては、依然、強い業況悪化の動きが続いている。

卸売業
 前年同月比売上は、陶磁器産地卸、機械・工具販売で増加、医薬品卸で横這い、電設資材卸で減少となった。需要低迷が続く中、全体的に厳しい状況が続いている。その中で、機械・工具販売は堅調に推移している。

小売業
 前年同月比売上は動向が分かれ、石油製品販売、共同店舗(東濃、飛騨)、生花販売で増加、青果販売、水産物商業、家電機器販売、メガネ販売で低調横這い、中古自動車販売で減少となった。業界は、消費需要の低迷に加え、低価格志向、競争激化等の収益圧迫要因も強く、厳しい業況が続いている。

商店街
 前年同月比売上は、低調横這い又は減少となっている。収益状況、景況感に回復傾向はなく、商店街の不況感は強く厳しい状況が続いている。

サービス業
 前年同月比売上は動向が分かれ、自動車車体整備、広告美術で増加、クリーニング、情報サービス業、映像制作、飲食業、ビルメンテナンスで低調横這い、自動車タイヤ整備、観光旅館(長良川畔、下呂温泉、高山)、理容・美容業で減少となった。昨年の愛知万博の反動による悪化傾向が強い観光旅館を除き、全体の景況は、販売価格、収益状況等ほぼ横這いの状況となっている。

建設業
 前年同月比売上は、全般に減少又は低調横這いとなっている。土木(岐阜地区、飛騨地区)、産直住宅においては、主要指標の悪化傾向が特に強く厳しい状況である。業界は発注量の減少、民需低迷による低水準の受注状況等により業況悪化の厳しい状況が続いている。
運輸業
 前年同月比売上は、貨物運送で増加、軽運送で減少となった。業界は、駐車違反の取締の強化、燃料費の高騰が問題となっている。
  主な調査項目での動向
売上動向は、前年同月比で増加23、減少35でDI値はマイナス12となり、前月と同数値の横這い傾向となっている。
 DI値は、昨年8月以降、一進一退の状況が続いていている。今回は前月に続き2ヶ月連続の横這い傾向で、低調推移となった。
 売上増加業種が他に比べて多いのは、機械・金属業である。その他の業種で増加となったのは、米菓、合成繊維織物、紙加工品等15業種である。
 減少業種が多いのは、繊維・同製品、商店街である。

販売価格の動向は、前年同月比で上昇12、低下15でDI値はマイナス3となり、前月の0に対し、3ポイントの悪化の動きとなっている。
 販売価格の上昇した業種は前月より1業種増加し10業種となったが、下降業種がそれを上回り増加したことによる悪化である。
 前年同月比販売価格が上昇したのは、食肉、寒天水産、縫製等10業種である。

収益状況の動向は、前年同月比で好転10、悪化40でDI値はマイナス30となり、前月のマイナス28に対し、2ポイントの悪化の動きとなっている。
 DI値は、売上動向と同様に不安定な動きをしている。また、DI値の水準は、再びマイナス30ポイント台の強いマイナスの値となるなど、厳しい収益状況が続いている。
 収益状況が好転となったのは、米菓、金型、輸送用機器等8業種である。
 悪化業種が特に多いのは、食料品、建設業である。

資金繰りの動向は、前年同月比で好転4、悪化18でDI値はマイナス14となり、前月のマイナス13に対し、1ポイントの悪化となり依然、厳しい状況である。特に、建設業で悪化傾向が強い。
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