調査レポート
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景気動向調査
 平成14年4月  (平成14年4月末調査)
 岐阜県中小企業団体中央会では、県内中小企業の現況、課題を迅速にとらえ、これらの情報を関係行政等へ提供するとともに、本会事業の活用に資することを目的に、中小企業団体情報連絡員制度(政府指定事業)を実施しております。

 当制度に基づき、県内の主要業種85組合に中小企業団体情報連絡員を設置し、毎月の調査報告を収集しております。

 本レポートは、その中で、県内中小企業の景況動向について取りまとめたものであります。
  〔 1 〕4月の特色
◆ 極く一部に下げ止まり気配
◆ 価格低下、収益悪化が深刻
◆ 先行き不安感が依然強い
  〔 2 〕4月の概況
 当月の景気動向を景況感DI値(前年同月比)で見ると、好転1ポイント、悪化54ポイントでDI値はマイナス53ポイントとなり、前月のマイナス65ポイントに対し、12ポイントの大幅な改善となっている。

 DI値は、昨年6月から続いたマイナス60〜70ポイント台の強い悪化の傾向から11ヶ月ぶりにマイナス50ポイント台に改善し、また、直近4ヶ月においても、マイナス75ポイントから着実に改善が続いている。

 数値の動きでは底打ちの傾向がうかがえるが、マイナス54ポイントは依然大きな悪化傾向である。

 販売価格、収益動向のDI値もそれぞれ、マイナス51ポイント、マイナス60ポイントの依然大きなマイナスの水準であり、また、消費低迷、公共工事の削減や企業間競争の激化、海外との競合の厳しい環境は依然変わらず、先行き不安感が強く、中小企業の景況感は底打ちを実感するには至っていない。倒産・廃業の発生等、楽観を許さない状況である。

 前年同月比業況悪化業種が特に多いのは、食料品、繊維・同製品、木材・木製品、窯業・土石、建設業である。

 前年同月比好転業種は、機械・工具販売だけである。
  主な業種区分の業況概況
食料品はは、前年同月比売上は、動向が分かれ味噌・醤油、米菓、製麺で増加、豆腐で低調横這い、食肉、菓子、酒造で減少となった。売上増加傾向が出ているが、収益動向の改善した業種は無く、依然厳しい状況。豆腐、味噌・醤油、製麺はスーパー等の特売による低価格販売競争が依然激しく、経営を益々圧迫している。

繊維・同製品は、織物等川上業種では、前年同月比売上は全般に減少傾向となっている。アパレル関連は、全般に低調横這い、又は減少傾向となった。アパレル関連は、春、初夏物が好調であったが、受注単価は依然厳しく、収益動向の改善には至っていない。

木材・木製品は、前年同月比売上は、全般に低調横這い、又は減少傾向。住宅建築の低迷等による需要不振、低価格化等により業界の先行き不安は強い。


紙・紙加工品、印刷、プラスチックでは、前年同月比売上は、プラスチックの増加を除き、全般に低調横這い、又は減少傾向となった。また、業界は、後継者不足等による組合員の減少が続いている。

窯業・土石の陶磁器等では、建設資材ともに、前年同月比売上は、全般に減少傾向となっている。陶磁器等では消費需要低迷に輸入品との競合、建設資材では建設需要(民需、官需)の減少による。

機械・金属は、全般的に前年同月比売上は、低調横這い、又は減少傾向である。業況は一段と厳しくなっている。その中で、航空機関連は順調に推移している。全般に販売価格、収益状況の悪化傾向が強い。

各種物産品は、前年同月比売上は、観光物産、ギフトどちらも減少となり、需要の減少傾向が見られる。

卸売業では、全般に、前月に引き続き、低調横這いとなっている。


小売業は、前年同月比売上は、低調横這い、又は減少で推移している。その中で、中古自動車販売は順調に推移している。消費低迷が続き、苦しい状況。


商店街はは、前月比売上は、岐阜市、多治見市、恵那市で低調横這い、大垣市、高山市で減少。一部の商店街に、売上の下げ止まり感がみられるなど、底打ち気配の意見があった。

サービス業は、前年同月比売上は、動向が分かれ長良川畔旅館、高山旅館で増加、飲食で横這い、その他は減少となった。売上増加は好天が続き、気温が高かったことによる。景況は依然厳しい状況である。

建設業は、全般的に前年同月比売上は減少傾向である。また、年度初めの公共工事端境期、民需の低迷による低水準の受注状況であるため、公共工事の早期発注の強い要望が出ている。

運輸業は、前年同月比売上は、減少傾向で推移している。
  主な調査項目での動向
売上動向は、増加9ポイント、減少62ポイントでDI値はマイナス53ポイントとなり、前月のマイナス48ポイントに対し、5ポイントの悪化となっている。
 前月、平成13年4月以来11カ月ぶりにマイナス40ポイント台となったDI値の水準は、再びマイナス50ポイント台に低下した。
 売上増加業種は、味噌・醤油、米菓、製麺、プラスチック、輸送用機器、中古自動車販売、長良川畔旅館、高山旅館である。
 減少業種が特に多いのは、繊維・同製品、木材・木製品、窯業・土石、小売業、サービス業、建設業、運輸業である。

販売価格の動向は、上昇1ポイント、下降52ポイントでDI値はマイナス51ポイントとなり、前月のマイナス49ポイントに対し、2ポイントの下降の動きとなっている。
 販売価格の上昇業種は、広告美術だけである。下降業種が特に多いのは、木材・木製品、紙・紙加工品、機械・金属、小売業、サービス業、建設業となっている。

収益状況の動向は、上昇0ポイント、下降60ポイントでDI値はマイナス60>ポイントとなり、前月のマイナス57ポイントに対し、3ポイントの悪化となっている。
 悪化回答が多いのは、食料品、繊維・同製品、木材・木製品、窯業・土石、小売業、建設業、運輸業である。

資金繰りの動向は、前月のマイナス43ポイントから4ポイント改善し、当月は、マイナス39ポイントとなっている。昨年8月から長期に亘り大きな悪化傾向が続いていたが、ここ2ヶ月は連続して改善となっている。
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