調査レポート
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景気動向調査
 平成11年2月  (平成11年2月末調査)
 岐阜県中小企業団体中央会では、県内中小企業の現況、課題を迅速にとらえ、これらの情報を関係行政等へ提供するとともに、本会事業の活用に資することを目的に、中小企業団体情報連絡員制度(政府指定事業)を実施しております。

 当制度に基づき、県内の主要業種85組合に中小企業団体情報連絡員を設置し、毎月の調査報告を収集しております。

 本レポートは、その中で、県内中小企業の景況動向について取りまとめたものであります。
  〔 1 〕2月の特色
◆ 景況の下げ止まりの兆し
◆ 建設関連が受注増加
◆ 一般消費需要は依然低迷
  〔 2 〕2月の概況
 当月の景気動向を景況感DI値で見ると、好転4ポイント、悪化38ポイントで、DI値はマイナス34ポイントとなり、前月のマイナス42ポイントに対し、8ポイントの改善となっている。動向数値の主な前月比変化は、「悪化」で7ポイント下降、「不変」で6ポイント上昇し、この変化が改善の主な要因である。

 また、昨年11月から当月(2月)までの間のDI値は、1月のマイナス42ポイントを除き、マイナス30ポイント台になっていることから、景況悪化のスローダウンの傾向を指摘することができる。

 例年、2月の景況は、需要の低い1月の反動、春需の開始、建設関連の繁忙によるプラス面と、営業日数が少なく、端境期に当たる業種があるなどのマイナス面の両面があり、総合すると、前月(1月)に近い景況感で推移するケースが多い。

 当月の場合も、不況下の低迷状況を別にしてみると概ね同様な傾向の推移となっている。  しかし、これらの業種においても、景況感の好転は1業種だけであり、景況の好転には至っていない。

 他の業種においては、季節要因による売上増の業種もあるが、消費需要の冷え込み、市況の低迷等により、前年割れの売上、低収益の状況にあり、強い不況感の中で推移している。

 総合すると、全面的な不況の中から、一部に需要回復の動き、兆しが見える業種が若干出てきた状況にある。しかし、その動きが景気回復につながるかどうかについては、まだ評価し難い水準のものである。

 前月比業況悪化の業種が特に多いのはサービス業、繊維・同製品、窯業・土石、食料品、各種物産品、商店街である。
 また、堅調を続けたのは航空機関連、好転したのは木材・木製品、季節需要のあった高山民宿である。


  主な業種区分の業況概況

食料品は、前月比売上動向が業種によって多様に分かれている。また前年対比では、菓子類は前年並み、米穀小売は前年比増、その他は前年割れが続いている。販売条件が厳しい中で、大半の業種が収益状況、資金繰りともに悪化している。売上増のあった業種にも景況感の好転はなく、業況は依然悪化している。

繊維・同製品は、春物の出荷、秋冬物のサンプル出し等の季節要因で前月比売上増加の業種が3分の1を占めたが、それらの業種も含め、前年割れが続き、依然厳しい業況が続き、明るい材料が全く見られない状況である。

木材・木製品では、住宅建築需要の増加により売上の増加、価格の上昇傾向が出てきた業種と、まだ変化がなく低迷状態が続いている業種に分かれている。需要動向が出て来た業種においても、建築受注が大手ハウスメーカーにシフトしているため、地元の関連企業への影響は小さく、又業況回復の実感も薄く、一時的な動きではないかとの警戒感が残っている。

紙・紙加工品、印刷、プラスチックでは、業種により、また取扱商品により需要動向が多様に分かれている。新しい動きとしては、家庭紙の業況の好転が確かなものになってきたことがあげられる。他は季節要因による前月比の変化があるものの概ね前月並みの業況推移となっている。
 これらを総合すると、底打ち傾向の業況となっている。

窯業・土石の中の陶磁器関連は、前月比で営業日数が増えたことによる前月比売上増が一部に見られるが、全体的には季節要因の影響が表れない程に業況が落込んでいるため、横這いとなっており極めて厳しい業況が続いている。土石は公共工事施工の繁忙期に入り、前月比売上が増加している。しかし、販売価格等の取引条件が厳しいため景況感の改善はなく、前年対比ではすべての業種で業況が悪化している。

機械・金属では、概ね前月横這いの低調な業況で推移している。しかし、前月までの景況感の悪化が若干緩やかとなり、下げ止まり傾向が窺える。収益状況、資金繰りについても、悪化が止まっている。

各種物産品は、季節変動により食品主体の地域特産品は売上減少、ギフト主体は売上増加と動向は分かれている。しかし、ともに前年対比の売上は減少であり、また、業況の悪化が続いている。

卸売業の中の陶磁器卸は依然業況悪化、また飛騨地区の日用雑貨、食品等の卸売一般は低調横這いとなっている。

小売業は、低調な前月に対し、横這い若しくは悪化で、冷え込んだ消費需要の中で厳しい業況が続いている。特に地域振興券の発行を待つ、買い控えが見られ、当月の売上動向をさらに低下させている。

商店街は、小売業と同様、低迷を続けている。地域別の特色としては、多治見地区の不振が目立ち、また、反対に恵那地区の業況回復が顕著であることがあげられる。

サービス業は季節要因により一部に前月比売上増が見られたが、過半の業種で売上減少、景況感悪化となり、依然、業況の下降が続いている。販売条件、収益状況、資金繰りの悪化傾向が他に較べ強く、今後の推移が懸念される。

建設業は、政府等の補正予算による公共工事発注の増加、また、住宅建築の増加により受注増となっている。受注単価が低いこと、工事規模により受注機会が少ない企業があること、住宅建築で地元中小工務店の受注が少ないこと等の問題点を残し、また、一時的な動向で止まることへの懸念もあり、景況感の改善には至っていないが、一息ついたとの感想が若干出ている。

運輸業では、前月横這いの低調な業況となっている。

  主な調査項目での動向
売上動向は、増加29ポイント、減少30ポイントで、DI値はマイナス1ポイントとなり、前月のマイナス61ポイントに対し、比較にならない程の大幅な改善となっている。これは季節要因により1月の前月比動向が大幅に落ち込むことによるもので、季節変動が主な要因である。
 前月(1月)の営業日数の減少等、活動が低い時期に対し、当月は概ね横這いで推移していることは、市況の低迷を意味していることであり、また、前年対比の売上動向の減少が多いことから、実際には低迷が続いたことになる。
 若干でもDI値がプラスとなっているのは、繊維・同製品、木材・木製品、窯業・土石、建設業である。反対に、減少傾向が強いのは卸売、小売の流通関係である。

受注動向は、増加25ポイント、減少30ポイントで、DI値はマイナス5ポイントとなり、前月のマイナス57ポイントに対し、大幅な改善となっている。その要因は売上動向と同じく、季節要因があげられる。
 売上動向との相違点としては、建設関連での受注増が低迷している他の業種に対し対照的に表れていることである。また、機械・金属関係においても「減少」から「横這い」に変化し、下げ止まりの動きを示したことも当月の新しい変化である。
 減少業種が他に較べ多いのは繊維・同製品、反対に増加業種が多いのは窯業・土石、建設業である。

販売価格の動向は、上昇4ポイント、下降18ポイントで、DI値はマイナス14ポイントとなり、前月のマイナス16ポイントに対し2ポイントの改善となっている。前月見られた下降業種の集中化の傾向は、当月では弱まっている。
 下降業種が他に較べ多いのは繊維・同製品、紙・紙加工品、窯業・土石、サービス業である。

収益状況の動向は、好転5ポイント、悪化33ポイントで、DI値はマイナス28ポイントとなり、前月のマイナス56ポイントに対して28ポイントの大幅な改善である。また、マイナス20ポイント台は昨年11月のマイナス27ポイントの後、初めてである。
 改善の要因には、売上、受注の動向と同じく、季節要因が大きいが、好転の5ポイントは実勢を意味するものと考えられ、季節要因以外の実質的な改善も若干は含まれていることも考えられる。
 悪化業種が特に多いのは食料品、繊維・同製品、小売業、サービス業である。

   〔 3 〕向こう3カ月の動向
 向こう3カ月の景気動向予想は、好転予想8ポイント、悪化予想39ポイントで、DI値はマイナス31ポイントとなり、当月実績のマイナス34ポイントに対し、3ポイントの改善予想となっている。
 改善要因には前月における改善予想と同様、3月の消費需要等の売上増の季節要因があげられる。しかし、売上増加予想業種の数値と比較した場合、景況感の改善予想は小さいため、季節需要への期待は比較的小さいものと予想され、景況改善の動きも弱いものと推測される。
 このため、景況としては水面下の若干の改善、あるいは下げ止まりの状態が予想される。
 景況感の悪化予想が半数を超えているのは繊維・同製品、窯業・土石、サービス業、紙・紙加工品である。

売上動向予想は、増加予想22ポイント、減少予想17ポイントで、DI値は5ポイントのプラスとなっており、当月実績のマイナス1ポイントに対し、6ポイントの改善である。増加予想が出ているのは食料品、小売、商店街で季節需要が増加要因となっている。危惧されるのは、受注を確保した建設業で売上増加予想が出ていないことである。
 減少予想が多いのは繊維・同製品、他は概ね当月実績横這いの予想となっている。

収益動向予想は、収益状況動向予想は、好転予想10ポイント、悪化予想32ポイントで、DI値はマイナス22ポイントとなり、当月実績のマイナス28ポイントに対し、6ポイントの改善予想となっている。
 好転予想となっているのは商店街だけであり、一方悪化予想が特に多いのは繊維・同製品、窯業・土石、サービス業と続いている。サービス業では悪化予想も多いが、好転予想も一部(9組合中2組合)あり、売上動向にも見られるが、業況が業種によって分かれる予想になっている。


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